2019/03/26

レポート!高校生と先生に【伝わった!】



冬の間、私が山仕事に一生懸命になっていたら、
もっともっと一生懸命前進している人がいた。


村岡高校・紙漉班として2年間関わってくれた実優さんが、班を代表して「マイプロジェクトアワード2019」の全国大会へとかけのぼっていた。
「マイプロジェクト」のことも、経過のことも、説明したいことはたくさんあるけど、【伝わった!】と言うことが、何よりも私の中では大切なこと。

■私が行っている・目指している「紙づくり」は、等身大で楽しめるモノ。
■環境に優しく、身近にあるモノでつくる。(そのためには昔の知恵と技術が必要)
■そして「紙づくり」は里にある多くの仕事・暮らし(資源を活かし手入れする)の一部でしかなく、他のこと共としっかりつながっていると言う前提・イメージで行う。
さらにその暮らしが世界の裏側までつながっているという想像。

以上の3点をゆっくりと実践してきた。
これらのことは、コトバで話しても誰にでも理解されることではないんだ、と人と対話する中で気がついた。


「紙漉をしている」「和紙をつくってる」と言うと、職人さんの仕事で、伝統工芸で、高価で・・・と言うようなイメージが付きまとう。
さらに「和紙づくり復活」と言うと、きれいなストーリーを思い描き、良いことだと受け取られる。(それはありがたいこと)
だけど実際紙漉を学びはじめて、「伝統」や「復活」に私は違和感を持ち、数年後それらのコトバとは離れた、等身大の「紙づくり」がやりたいと気がつく。

人によっては、更に技術を磨き、より洗礼されたモノづくりを極める方もいらっしゃるし、地域に続く伝統を守り努力を続けておられる方もいらっしゃる。
もう、そういう方々には尊敬の念しかなく、「和紙をつくってる」という同じ言葉でくくられるのが本当に失礼なことだと考え、「和紙」というコトバからも離れようとしてきた。

説明がうまくできないことも大きな原因だけど、新聞や記事などで取り上げてもらうと、いつも「和紙復活」と言う文字が大きく出てしまう。
私が実践しようとしていることにはなかなか触れてもらえない。
【どうしたら伝わるのか、気がついてもらえるのか】
ブログで書いてみたたり、講演会の場で話してみたり、本にしてみたり。
高校の授業でも時折学生さんたちに話したりもした。
あとはコツコツ実践を続けながら、待つだけ。

そしてやっときた。
去年夏に高校生と取り組んだ「和雲」を通じて、紙づくりから「何か」を得ようと学生さん自身が動き出しはじめた。
※「和雲わく」の記事はこちら

その時はまだ「商品開発かなぁ」という気分。
今年度の紙漉授業も終わりに近づいた頃、マイプロジェクトにチャレンジする実優さんのプレゼンリハーサルをビデオで見せていただき、「あ、変わってきたなぁ」と気付く。

そんな中、プロジェクト名「射添和紙の復活」について、疑問を投げかけた。
担当の先生を通じて、改めて自分の想いや上記の3点を整理しながら繰り返し伝える。
先生はわかりづらい私のコトバを上手に汲み取って、実優さんに伝えてくださる。
名前は「つながりのさきに、射添紙」に決定。

「伝わる」時って、同じように実践している人はもちろんだけど、「それを目指そう」とか、その人が自分ごととして受け取ってくれる・向き合い想像してくれる時に伝わるんだ、と感じる。
自分が動き回る、というよりも、相手が動いてくれることで伝えられる。
「あぁ、伝わってるんだなぁ〜」と実感したときの喜び。

思い出したことがある。
昔、里の暮らしについて模索しているとき、法政大学総長・田中優子さんの本をいろいろと読ませてもらった。
いろんなことに感銘を受け、フッと、田中さんは読み手を信じて考えや想いを書きつづってるんじゃないかな、と思い馳せたことがある。
逆に自分はモノづくりのお店をしていた時、あまりお客さんを信じられてなかったんじゃないか、と振り返る。
社会の人を信じてモノを作ったり、書いたりできるのはステキなことだ。

私も「待つ」という形で、ほんの少し誰かを信じてみたように思う。
先生が教えてくれたコトバ、「伴走者」に重なる。
「コドモたちに教える」とか「先生と呼ばれる」よりも、伴走者をめざしたい。

自分のことで精一杯で、結果「待つ」形になったけど、実優さんが動いてくれたおかげで、大事なことに気がついた。思い出した。
実優さんのプレゼンの中で「自分がいいと思ってるものを発信すると言う一方通行じゃなく、相手とコミットして発展させていく大切さに気がついた(たぶんこんな内容)」というくだりがあって、まさしくピッタンコ。
兎にも角にも、ありがとう。
オトナの期待をはねのけて、自分のしたいことを切り開いていけるといいな〜
31年度取り組む予定の名刺づくり


■「マイプロジェクト」【つながりの先に、射添紙】のページ
https://myprojects.jp/project/8333/

■「マイプロジェクト」事務局長さんのコトバ
取り組みの目指しているところがよくわかる。
https://myprojects.jp/news/10064/?fbclid=IwAR29mjwPeX9Ti5EyDNXfgbQAGd35DfzWRk5zLntp-iHbRrOgMHxO8GbVpwc

■但馬情報特急
和雲や取り組みを丁寧に紹介し、今回東京まで赴いてアワードの様子をまとめてくださった。
https://www.tajima.or.jp/news/142781/

■神戸新聞但馬版
ピチピチ高校生とバッチリ載せてもらいました〜!
ネット版記事はこちら
https://www.kobe-np.co.jp/news/tajima/201903/0012158743.shtml

2019/03/05

おしらせ【グラス片手に!ビブリオバトル】浜坂「Bar sen.s」


ひさしぶりの「ビブリオバトル」!
しばらくの高知暮らしから帰ってきてみれば、但馬は雪もなく、お天気が良い日は春の近さを感じるほど。
そろそろ部活をしたい気持ちでウズウズ。

まずはコチラ、本のこと。
私は「本好き」と言うほどではないし、ここしばらくは全然読めてないくらいだけど、高校生くらいの時から読んできた本の中で、「心の中に衝撃を受けた」本がいくつかあって、そういう本は内容はぼんやりとしか憶えてなくても、再び読み返したり、何かの拍子にフッとその衝撃に似たモノがよみがえってきて想いだす。
本だけでなくテレビで見た番組もそういうモノがたくさんある。

人それぞれの「そういうモノ」を、お互いに共有したい!部活動にしたい!と、浜坂のチトちゃんとはじめたのが【ビブリオバトル】。
その延長で「ミカタ出版」という本や映像に関わる部活をつくった。
まぁ、かなりユルイスピードだけど。

そんなビブリオバトル、多少緊張感があるゲームなので、ほわほわ気持ちもリラックスして聞きたいことも突っ込めるような雰囲気もいいなぁ〜と、前回、浜坂の隠れバーで開催したところ、結構いい感じだったよう。(ワタシ欠席・・)
なので、今回もササキゲンでいきます!!

 = ミカタ出版おすすめイベント =
【グラス片手に!ビブリオバトル】
2019.03.08.Fri  20:00 〜 ?:00
新温泉町・浜坂「Bar sen.s」
部費:ドリンク代
持ち物:オススメの本1冊

※見学・参加ご希望の方はメールまたはFacebookページよりおしらせください。
Mail : nagasukurasuアットaol.jp
Facebookページ:「ながすくらす」検索
(docomoメールの方はFacebookよりご連絡ください)

 <ビブリオバトルとは?>
本の紹介プレゼンゲームです。
1人1冊5分間でどれくらい魅力的に、時間ピッタリに紹介(プレゼン)。
 それについてみんなで2,3分ディスカッション。
さいごに「どの本が読みたくなったか?」を投票し 【チャンプ本】を決めます。
 ※本のジャンルは自由

2018/12/14

おしらせ!村岡高校生企画【年越し灯ろう展・長楽寺】


村岡高校生と射添小学5年生の紙漉きコラボ授業で、今年は押し花や毛糸を漉き込んでオリジナルペーパーを制作。
それを灯篭にして、今年も地元の長楽寺さんにて【年越し展示】をします!
昨年度制作した「手漉きはがき」や、夏に取り組んだ「和雲」も加えてにぎやかに。

自分たちで企画したり、実際に制作やプレゼン・展示、活動報告まで、本当に積極的に取り組む高校生たち。
《射添紙復活プロジェクト》として、自分たち高校生が中心となり、地域を巻き込んでますます広がっていく様子。

本来はワタシがもっと進んで開拓していかねばならないのだろうけど・・
ワタシは紙漉き中心の暮らしを目指していない。
なんだか言い訳のようだ。
「里山で暮らす」つまり、資源を使わせてもらう暮らしと仕事(紙漉きも含めて)全部をやって循環の輪をとじたい。
それは自分の暮らす半径数kmで行えることだけど、それは地球の裏側までつながる行い。
特に今は山と木に向き合い始めて、また生活スタイルが変わりつつある。
ホソボソと自分の紙づくりを続けつつ、開拓しつつ、高校生との活動も短い時間だけど集中して後押ししながら、紙漉きと地域のつながりを考えたい。

さて、ひとつ気にかかるのが「射添紙復活」という言葉。
「和紙」や「復活」はわかりやすくて聞こえもいいけど、紙漉きははじめてしばらくしてからワタシにとってシックリこない言葉で、できるだけワタシ自身使わないように避けている。
とくに「復活」ってそんなに簡単じゃないし、だからこそそれなりの覚悟や取り組みをする必要があると思うんだけど、はなっからワタシは逃げてる。
やりたい人がいればやればいいと思う。
でも誰もやらないんだったら、そんなみえっぱりな言葉は使わないほうがいい。

わかりやすくて愛嬌のいいプロジェクトの名前、他にないかなぁ。
これこそ高校生に相談してみなくちゃ。

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村岡高校発!
【射添和紙で灯篭展 in 長楽寺】
2018.12.31.<大晦日> 23:30〜

2018/11/20

レポート【どんどこ活躍!村岡高校生】長須手漉き紙&和雲

■「和雲」で香美町スタディツアー参加
■ 高校生が教える射添小学5年生とコラボ授業

夏のお盆に展示した水に浮く和紙のライト「和雲 - waku - 」
>くわしくはこちら

再び出番です。
今度は去年からはじまった「香美町スタディツアー」へのお誘い。
今年の春から移住定住を担当するNPO「tukuru」に所属している、香美町地域おこし協力隊のサイトウミツキちゃんが企画した「ランタンづくりと海ヨガツアー」に、村岡高校生も参加して参加者さんと一緒に「和雲」づくりをしたい、とのこと。
>ツアー詳細はこちら

初めは水に浮く「和雲」を希望だったけど、まだ試作段階だったことと、防水紙を作るのに今のところ数日かかるという手間があり、値段が付けられないということで、難しい。
しかもツアー当日はワタシ不在で、高校生だけで進められる和雲づくりをと、アレコレ話し合い、手漉きの紙に押し花や毛糸をデコレーションして吊るして浮かぶ「和雲」を作る案に決定。

ちょっと話はそれるけど、本当になんでも値段をつけるのは難しい。
この「和雲キット」も「高い」と言われたし、ワタシ自身も買い手側目線だと「高い」と思う。
だけど作り手目線になるとずいぶん「安い」とも思う。
でも「高級品」を作りたいわけじゃないし、生活に見合った「気を使わない品」を目指したい。
でも使い捨てではなく大事に長く扱ってほしいから、やっぱり「高く」する方がいいのか。
でもでも…と、堂々めぐりで値段がつけられない。うむ・・・
「価値」と「価格」については、また別に【資本主義】についての考察で書くことにする。

さて、そんなこんなで吊るして浮かぶ「和雲」の試作と、当日使う参加者分の手漉き紙を、夏休み最後にメンバーに集まってもらって制作。

やっぱり実際に作ってみるものだ。
頭でアレコレ考えていたときより、断然カワイイのができてしまった!
特にメンバーの一人、彼のセンスはすごいなぁ〜といつも感心してしまう。
今回もモコモコ毛糸がゴテゴテつけられて、どうなるんだ??と思いつつ、点灯してみれば・・・
ヌイグルミみたいなマスコットみたいな、メチャクチャかわいい!!
こういう出会と発見がワークショップをしていて、たまらなくオモシロイ。


ライトの点灯時間にについての改善はまだできなかったけど、小さいタグを付けてみたり、ライトを入れやすく外れにくいように小細工をしたり、それっぽい「和雲キット」パッケージができた。

当日は4人そろってしっかり「和雲づくり」や手漉き紙について、話せたはず。
※写真提供:村岡高校先生

初めましてのオトナに混じって、説明したりしゃべったり、高校生がんばる!
すごいなぁ〜
参加者さんの中には知った顔もチラホラ。

なかなかよさげ〜、実際に見てみたかったなぁ。
しっかり海ヨガもがんばった様子。
おつかれさまでした。


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そして大事な授業の一つ、射添小学5年生とのコラボ授業。
「高校生が小学生に教える紙漉」がテーマ。
2016年に宝塚へ通った「できるデザインスクール」での講師からのアドバイスがきっかけで、教える側に立つことで新たな発見もあるし、小学生にとっても地元の高校生と触れ合う大事な機会になるということで、その年からはじまった。

今年は作った紙を灯籠にして、大晦日、長楽寺さんで展示点灯するという目的。
5年生11人とこの辺りではめずらしい大人数で、高校生うまく指導・誘導できるかと見守りながらバタバタと授業開始。



押し花や毛糸など漉き込んでオリジナルの紙をつくるため、まずは素材選びと配置のデザインを高校生にアドバイスしてもらいながら考える。
コドモたちの判断は早い、心配をよそにサッサと決まる。

その後は紙漉をする班と、楮・花オクラ見学に行く班と二班に別れて進める。
時間が来たら交代。


コドモたちに教える姿もサマになってる。
県の教育委員会から来られた方にもしっかり教えていたし。
うーーん、頼もしいなぁ〜。

楮・花オクラ見学班にはついていけなかったけど、事前に質問用紙を小学生に渡しておいて、歩きがてら高校生に質問して教えてもらう方式にしつつ、長須集落内で自生している「楮探し」もしてもらう。
コレがコドモたちにはおもしろかったようで、終わりの感想で「見つけた」「見つけられなかった」が話題になってた。

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とにかく高校生と一緒にこれだけの活動ができているのは、本人たちのガッツもすごいし、理解してくださる担当の先生や学校の体勢、ご家族の協力、地域の眼差しがあるからだと思う。
少しタイムリーな話、今日たまたまブランド免税店が集まるギャレリアや巨大ショッピングモールをうろついて、全く生活感・暮らしている感を感じられず、とても疲れた。
別にそれはそれでいいのかもしれない。便利な時もある。

昨年度2年生の時に「和雲」の原案を出してくれ、3年生になり人一倍「紙漉・射添和紙」について考え、行動してくれた美優さん。
11月18日に行われた「ふるさと教育交流会」の発表で、誰よりもイキイキと力強く発表してくれたと、担当の先生からうかがった。

美優さんの中で、手漉きの紙と戦争を始めとする諸問題はつながっていないかもしれないけど、きっといつかつながっていることに、頭じゃなくて感覚じゃなくて、全部で理解できる時が来くだろうと信じられる。
その時までワタシは細くても紙漉と山の仕事は続けていたい、と望む。
香美町に戻ってこなくてもいい。
ココにいなくても必ず、起こす行動はココにつながると思うから。

そんな勝手なエールをいつ贈ろうかと迷い中。




2018/10/03

おしらせ【祭りはアン(シ)タ 三番叟ポスター展】写真部・Uturuうつる


写真部「Uturuうつる」のおしらせ

恒例!【香住三番叟&秋祭り】撮影会
2018年10月4日(木)・三番叟町廻り
     10月5日(金)・秋祭り
【祭りはアン(シ)タ】香住区三番叟ポスター展

さらに今年は三番叟四自治区(香住、沖浦、森、訓谷)のポスターも展示します!
場所:レンタルスペース「glassグラス」さんヨコ
(但馬銀行と香住交番所のちょうど真ん中)
タイトルは、前日に即興で準備したのと祭りは誰もが楽しめる、と言う意味もこめています。

お天気が気になりますが、祭りパワーでくぐり抜けよう〜!!



車通りも人通りも多いストリート。
さっそく見てくださる方が。
通りすがりの方も「いいポスターできたやん!」と言ってくれます。
いやーー、町中ポスターで埋め尽くしたいよ!!
それだけ(以上)みんなに見せたい香美町があるんだよね〜

■Uturuうつるサイト
http://kaa-mii.wixsite.com/uturu

レンタルスペースglass Facebookページ

2018/09/27

音楽と沖縄とながすくらす 〜 沖縄知事選を前に 〜










久しぶりの手書きブログ。
関係ないようで「ながすくらす」には必要な、この国の様々な端っこのこと。
 == 悲しくて悲しくて とてもやりきれない ==
だけど、スキッとした「ブルー」な音楽。
ながすくらすの暮らしも悲しさ・悔しさでなく、それを超えた「カラー」で動いていたい。


追記:上記「NO」の写真は高江の座り込みに参加した時のもの。
■「やんばる東村 高江の現状」
https://takae.ti-da.net/











2018/09/16

レポート【木で頭がいっぱい】林業行脚・北から南

台風やら大雨やらに阻まれながら、合間を縫ってただいま高知・黒潮町の山ん中で「林業修行」。
アブが飛んだり、ヤブをかき分け斜面をよじ登ったり、メジャーを携え上から下から往復を繰り返し、足元が滑って下草と泥と虫にまみれる。

ふと去年の夏、シュノーケルつけてはじめて日本海を泳いで「海もいいなぁ」と思ったことを思い出した。
海水にまみれるのも気持ちいいけど、今の自分は山のヤブの中、転がっているのがピッタリな気分なんだなぁ、って。

この「山の中で転がる」のが気分いいって、いつもいつもじゃないし、どうがんばっても苦手な人もいるだろうし、たまたま私は好きな方だった。
こういう思いは、もう一つ同時に考えている長須での高校生との紙漉活動で、彼女たちの思いに何か答えたいことの一つ。
「香美町の魅力を発信する」「田舎の良さ」というのはつまり、何かに比べて良いということでもなく珍しさでもなく、単に「自分が好き」ということなんだと思う。
どれだけ自分が好きで、どんなふうに好きなのかを体現して、表現できれば誰かに伝わって、続いていく、つながっていく。
随分前に読んだ福岡伸一さんの「ルリボシカミキリの青」という本に、「沈黙の春」という本を書いたレイチェル・カーソンさんの言葉が紹介されていて、「幼い頃に『何に美しさを感じた』か、ということが将来ずっと自分を支える」というような解釈を福岡さんがされたいた。それは自然のことだけでなく、人工物でもいい、と。
今読み返している竹写真家・高間新治さんの「竹を語る」にも、ピンとくるフレーズがある。白川郷の合掌造りについて「文化庁や県の力というより、代々ここに住み、これからも住みたいとする人々の心に由来する」というくだり。

それを美しいと思うんだったら、好きなことなんだったら、誰もやらなくても、自分一人でもやればいい。

町の暮らしが好きな人はそれでいいし、お笑いが好きな人もそれでいい。
私はどちらにも関心は持てないけど、落語や音楽もすごく好きだし、呑んだり食べたり、山も好き。
目の前にある素材からモノがつくれて、お金に還元されたりブツブツ交換になったりして、誰かの手元に渡る。
エネルギーも自分で集めた木々でご飯を炊いたり、お湯を沸かす。
そういう仕事と暮らしが「美しい」と思うし、とにかくオモシロクて好きなんだ。

そのことが世界の裏側の人の暮らしや、地球の環境を破壊したり搾取することのない生き方につながればいい。
世の中や社会にしょっちゅうボヤいたり怒ったりもするけど…

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前置きが長くなったけど、8月末から香美町の南隣・養父市で「自伐型林業研修」がはじまった。全部で5回(それぞれ2日連続)。

講師は現在篠山市にお住まいの山口さん。
70代には見えない、若々しい方だ。
先日お世話になった豊岡市・椒の「NextGreen但馬」さんたちが「冬の間、多可町の山口さんの山でお世話になっている。」と話されていたり、山口さんのことはパートナーのマサちゃんからも聞いていた。
第1回目は半分座学、林業における安全・危険など基本やルール、事例をテキストに沿って学ぶ。
チェーンソーの基本、そして私にとっては大難関の「目立て」。
この時は山口さんの実演と講義だけだったけど、随分理屈がわかって、少し目立てについて安心感ができた。(後日、全然できなくて再び落ち込むが・・)


そしてもう半分は実際に山に入って、早速実演を見る。
木の駅プロジェクトのステップアップ講習会や、けびの森くらぶでも何度も伐倒も見たし、自分でもやってみていたけど、毎回木が倒れる時はドキドキする。
その木を使って、みんなでチェーンソーの基礎練習。
はじめはエンジンもなかなか掛けられず、悲しい・・・
とにかく「真っ直ぐ、水平、止めたいところで止める」この3つを徹底して習得する。
今回は数回ほどしか練習できなかったし、まだチェーンソーを支えるコツがわからず重たくて腕パンパン・・・





なにはともあれ、市外から前日の飛び入り申込みにもかかわらず、参加者さんたちの「今やってた方がいいよ!」とのお言葉に甘えて、枝払いと回し切りをさせてもらう。
・・・うーーーん、初めてでも下手くそすぎる・・・
木に対して垂直じゃないわ、切れ目は合ってないわ。
平地で切るのと、射面できるのは大違い。
ヒノキさん、ごめんなさい。
これからの課題、長い道のりを感じる瞬間だった。
9月の講習もがんばるぞーーー!!

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そんな志し?を聞きつけたのか、9月1日から高知のマサちゃんのところへ行くタイミングで、四万十市の宮崎聖さんが「実際にヒノキ切って出荷しようか?」と研修を提案してくれて、マサちゃんと超初心者のワタシに「選木・伐倒・造材・集材」の第一歩を3日間に渡り、実践&実践で教えてくれた。


あまりおしゃべりでない聖さんの話は、ほぼ要点。
大事なことは「どの木を伐ってあげれば、周りの木が喜ぶか、今後良い木に育つか」ということと「この木を伐って市場に出せばいくらになるか」という計算。

ちなみに私達がやろうとしているのは間伐して収益をあげようというやり方。
国が推奨する3割でなく、1〜2割以下の少ない間伐。
木の値段は私が生まれた昭和50年代にピークとなり、今はその1/8や1/7にまで下がっている。そのため、多くは「林業をやってもお金にならない」とされているけれど、
時間と共に木はほったらかしながらも成長し大きくなって、それなりの価値を持っているので、聖さんの言うようにちゃんと計算して、経験を積み技術の向上、見る目、スピードアップすれば、ちゃんと収入が得られる仕事なのだ。

まずは普通に間伐して普通に市場に出して収益が上げられるようにするのが私達の目標。

ちなみに
■「選木」は目的に合わせてどの木を伐倒するか選ぶこと。
■「伐倒」は間伐の場合、残す木を傷めず、安全に集材しやすい方向で木を切り倒すこと。
■「造材」は伐った木をどの位置でどのくらいの長さで切り分ければ、高値が付くかをよく観察し、正確に計算して切ること(最初に立っている状態で木の曲がりなどおおよそ検討をしておく)。ここを手を抜かず、多少時間をかけてでも測り直したり計算し直したりして、よりよい方法を選ぶように、と聖さんに教わった。
原木市場では基準になる値段表があり、それに合わせて測ったり料金の計算をする。
実際15分ほど時間はかかったけど、1000円ほどプラスになった木があった。「15分1000円なら時給で4000円、いい仕事でしょ?」って。なるほどーーー!
■「集材」は山の中で伐った木を様々な方法で集めて、土場と言われる木を積んでおく場所まで運ぶこと。今回は「林内作業車」というキャタピラーで山中の作業道を移動できる重機で、長いワイヤーを動力で巻き取りながら、ストック台に集めることができる。



自分たちで伐って、それなり?に造材して林内作業車で集材する。
はじめて操作する作業車。こわごわこわごわ。
この威力を知ってしまったら、ますます「林業」が身近に感じられる。
最長6mのヒノキ丸太を積む。

6mの丸太ってすごいよ。
怪物〜〜!迫力満点!
あ、でもクジラやサメとかってもっと大きんだな、とか妄想も膨らむ。


ゆがんだけど経40cm以上はあるスギの元をバッサリ、気分がいい〜
聖さんがいない間も作業車を貸してもらい、未熟な二人でホントにこわごわ、大まかに造材した木を集める。
はっきり言って、かなり思うように動いてくれない・・・動かせない。
こんな大きな機械でも制御しきれないくらいの木もあるし、小さいと思ってた木でも想像以上に重たいし、思わずボン!と突っ込んできたり、ブン!と振られたり、何が起こるのかを常に想像しながら(それもできないんだけど)、手を変え品を変え二人で協力して積み上げる。
命がけだし怖い思いもするけど、これが数学やパズルみたいで楽しい。
何度か山から集材して土場に運ぶのを繰り返していると、少し気持ちにゆとりもでくる。

アブも飛んでるし泥んこ汗まみれになるけど、フッとした時や休憩時間にみあげるヒノキの木漏れ日、谷から流れてくる風、外はカンカン照りで暑くても森の中は涼しく、とにかく気持ち良くて「体動かして汗かいて、山の仕事ってやっぱりいいなぁ〜」シアワセ。

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そんなこんなで大きな流れはわかってきたものの、全然チェーンソーの基礎がなってなくて、せっかくのいい材も価値を下げてしまったり、時間もとてもかかってしまう・・・
何より危険!ということもあって、ちょうど聖さんが関わっている宿毛市ではじまった「自伐型林業」の研修会に飛び入りで参加させてもらった。

講師は愛媛県の菊池さん。
どうやら研修第2回目の講義のようで、1回目の内容はわからないけど、養父市で受けてた講義も役立って話になんとかついていけた。
しかも2日間、みっちりチェーンソー捌きを練習するという、まさに私達にピッタリの内容だった。
雨模様でもしっかり使える港の作業場。
ここでも「垂直に、水平に」を基本に、「余計な力を入れない」練習を追求。
結果、技術はもちろんだけど、それらを正確にするためには「目立て(刃研ぎ)」が基本の基本!ということで、目立から指導をうける。
張り切ってやってみたものの、そんなんに直ぐにできるほど甘くない。
・・・切れない・・・
切れるんだけど、余計な力が入ってしまう。これはNG。
やっぱり「道のりは長い」と感じる瞬間。
でも、あの山仕事の楽しさを思い出し、上手に正確にスピーディーに伐倒・造材できるようになれば、もっと楽しくなると思うと、目立ての向上も楽しみにの一つになってきた。

「伸びしろ100%」って、すごい楽しいなーー!
林業行脚まだまだ続く。